ずっと隣で・・・
ー2時間前ー
「ふ~~っ!着いた。英斗……驚くだろーなーウフフ」
私、葉山千鶴は今、京都駅にいる。
ここには3年付き合っている彼、篠原英斗(ふじわら えいと)がいるのだ。
私たちは食品メーカー「笠原食品」の同期だったが、付き合い始めて2年目に英斗は京都支社に異動となり、現在遠距離恋愛をしている。
もう少しで遠恋歴1年。
最近はお互い仕事で忙しくてなかなか会えず、メールのやり取りのみだった。
でもさすがに3ヶ月も会えないと寂しくて、いつもは必ず約束してから会いに行くのだが、今回はびっくりさせようと連絡なしでここ京都まで来てしまった。

いつもは英斗が駅まで迎えにきてくれるけど、今日はタクシーを使ったて彼の住むマンションへと向かった。
タクシーを降りて彼の住む5階を見上げた。
「明かりがついてる。よし!」
英斗きっとびっくりするだろうな~彼の驚く顔を想像するとワクワクしてきた。
だが、突然部屋の明かりが消えた。
「え?もう寝ちゃうの?」
時計をみると夜の8時をちょっとすぎた頃。寝るにはちょっと早すぎるんじゃない?
そう思いながら私は、エレベーターに乗った。
そして大きく深呼吸をすると英斗の家のインターフォンを押した。

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