ずっと隣で・・・
「コーヒーおかわり」
「え?おかわりって・・・」
「その後は・・・・」
「は?その後って・・・ちょっと待って私マジで帰るよ」
これ以上一緒にいたらまずいよ。
だって弦は元彼だよ・・・
今の私は失恋したんばかりで、ちょっとやさしくされると
勘違いしちゃうから絶対ダメ。
頭の上で警報機が鳴りまくっていた。

「・・・そんなに慌てて帰る必要あんの?」
なんで・・・引き止めるかなー。
「・・・じゃあ、弦はそんなに私を引き止める理由でもあるの?」

「あるよ!」

一瞬で固まった、。
あるよって・・・
また頭の上で警報機が再び鳴りだす。

「あるって・・・・何がよ。」
「わからない・・」
ほら・・また言った。わからないって・・・

「弦・・・だめだよ。私今、男と別れたばかりで
いくら元彼だって言っても優しくされたら勘違いしちゃうから・・」
このくらい言えば納得してくれる。そう思ったのだが・・・・
「・・・・まだお前に未練があるって言ったら?」
予想だにしてなかった言葉に目が点になった。

「それは・・・未練じゃなくて、久しぶりに会ってなつかしい・・・
ただそれだけだって・・・もうこんな時に冗談よしてよね」
視線を逸らしながら苦笑いをしたが
「それは違う」
弦が私の腕を掴んだ。
「・・・・もしそうだとしても・・・無理よ」
私は掴まれた腕を振りほどき、もう一度弦を見つめた。
弦は・・・息を吐くと、わかったと言ってソファーにドカッと座った。
「ごめん・・・帰るね」
私は気持ちを切り替えるようにソファーの下に置いてあったボストンバッグを持った。


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