ずっと隣で・・・
ところが……
「あれれ?」
何の反応もない。
せっかく私という彼女がはるばる京都まで会いに来たのにまさか本当に寝ちゃったとか?
自分の想像そていたシチュエーションとは違うことに少々焦りが見えた。
もう一度チャイムを押し、ノックもプラスしてみた。
するとゆっくりとドアが開いた。
「誰?」
面倒くさそうな英斗の声に私の口元は完全に緩んでいた。
「来ちゃった」
お土産のスイーツの入った紙袋と満面の笑みで登場した私。
だが、英斗はうれしいとは程遠く、まるでお化けでも見ているよな目で私を見ている。
そんなに驚くことかな?
「ごめん。驚かせずちゃ––」
「何しに来たの?」
「え?」
しかも英斗は上半身裸で、部屋に入れてもらえるような雰囲気もなし
「・・・来ちゃダメな理由でもあるの?」
平常心、平常心・・・心の中で何度も唱えた。
だが、私の言葉に英斗は大きな溜息をつき・・・
「ごめん今仕事忙しくってさ…今日久しぶりに早く帰れて
今寝るとこなんだ・・・せっかく来てもらって悪いけど・・・」
恐らく帰ってと言いたかったのだろう。だが、言い終わる前に部屋の奥から
「英斗?誰か来たの?」
明らかに女の人の声が聞こえた。
英斗があからさまにバツの悪そうな顔を私に向けた。
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