ずっと隣で・・・
「相変わらず強いな~」
懐かしむような目で見つめられ思わず視線を逸らした。

「そう言う弦だって・・・」
すると弦もジョッキに残ってたビールを一気に飲み干し
おかわりを頼んだ。

「ねぇ・・・さっきのマスターの話なんだけど」
やっぱり気になる私は思い切って気になってた事を聞いてみた。
弦は持ってたジョッキを置くとバツの悪そうな顔で私を見た。
「…どうせバカにしたいんだろ?」
溜息をつき再びジョッキに手を伸ばそうとしたが
「ちがう!」そう言った私の言葉に弦の手が止まった。
咄嗟に違うと言った私自身も驚いた。
「・・・そうじゃない・・・ちょっと気になって・・・だって
間違ってたらごめんだけどあれって通いだしたのは私と別れてかな?」

少しの沈黙が流れた

「あの頃急に何もかもやる気がおこらなくてさ・・・食事も気が向いた時だけ
食べてた。そんな時何気なく入ったこの店のナポリタンがさ・・・
お前の作ってくれた
味に凄く似ていて・・・気がついたら通ってた・・・・・」

そして弦は私の顔を見つめた。

いまさら何でこんなの事言うのよ。
聞いた私も悪いけど・・・
私が別れを選んでしまったから?
< 48 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop