ずっと隣で・・・
「なー千鶴」
「あっ。ごめん・・・ボーっとしてた。酔っちゃったかな?
 それよりも今日は実家に帰るんでしょ?早くしないと電車無くなっちゃうよ」
さよならのかわりに一歩だけ後ろに下がった。
「お前はもう帰りたいの?
弦が一歩近づいた。

どうしてそういう質問を今するの?
ずるいよ・・・

「帰りたいのは弦でしょ?」
視線が絡み合う。
「・・・お前ともっと一緒にいたいって言ったら・・・迷惑か?」
いつも何で最終的な決断を私にさせようとするの?
ずるい!
「ずるいよ!弦は・・・いつだっていつだって・・・私は・・・」
だけど弦は私の話を最後まで聞かず私を腕を掴んだ。

「じゃ・・・帰さない」
前を向いたまま言った弦の表情はわからなかった。
でも握った手がまるで離さないとでも言っている様だった。

だから私もその手を強く握り返していた

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