ずっと隣で・・・
本当はある理由で名古屋に帰る予定でいたが
今話すべき内容ではないと思い、適当な理由を言った。
ここで・・・はいさよならなって事だけはしたくなかったし。

それから俺は千鶴のボストンバッグを持って千鶴の手を掴んでいた。
千鶴には申し訳ないがもう俺の制御がきかなかった。
戸惑う千鶴に

「ばーか、何にもしねーよ。・・・ほら行くぞ」
と言ったものの
内心は・・頑張れ俺の理性!・・・・だった。

そして千鶴から出た言葉は
遠恋してた彼が浮気してたという衝撃的な告白だった。

ショック?
そんな言葉で片付けられるものじゃない。
遠恋・・・って
俺はお前に遠恋は出来ないって言われて
泣く泣く別れたんだぞ!
それなのに・・・別の男と遠恋しかも結婚も考えていたとか・・・
マジかよ。

でも落ち込むのは後回しだ。
だって・・・別れたんだよな。そいつと・・・
だったら俺にもチャンスあるよな。
俺がそんな事を考えているなんて思ってもいない
千鶴は未だによそよそしかった。
しかもビジネスホテルにでも泊るとか言って家を出ようとしている。
もうだめだ・・・俺は玄関に向かう千鶴を引き留めた。
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