ずっと隣で・・・
「私だって友達だなんて思っちゃいなかったわよ。
でもしょうがないじゃない。気持ちを言っちゃったら・・・
は止めが効かなくなるじゃない。そうなったら・・・
私はきっと弦を困らせてしまうもん」
「困らせるって・・・・例えば?」
弦が私を覗き込むように見つめた。
「例えばって・・・・遠くにいる弦の声が急に聴きたくなって
時間も考えずに電話しちゃうとか・・・」
「千鶴だったら大歓迎だけど」
目を細め口角をあげる弦の顔は困ってるというより
すごく嬉しそうだった。
「でもでも・・・声だけじゃなくて
 元彼の様にいきなり会いに行っちゃったりするかもよ・・・」
「だったら合鍵用意しておくよ」
・・・・だーかーらーなんで?
普通だったらドン引きしちゃうような事をわざと言ってるのに
笑顔で受け入れようとするの?
「・・・・・・」
「千鶴?」
「普通こんな重たいこと言ったらドン引きしちゃうし
今の私はあの時の私と全く変わってなくて・・・
すごく面倒くさい残念なままだよ・・・」

だけど弦は笑顔のままだった。
4年前・・・付き合っていた頃の弦のままだった。
「だったら俺も相当面倒くさい男だよ。だって・・・・
千鶴と別れても忘れられなくて彼女も作らずにいた。
もし駅のホームで千鶴と再会しなけりゃ・・・きっと記録を更新していた
に違いない・・・俺の方が相当重いと思うけど?」
「弦・・・」
「俺は千鶴が好きだ。お前が何を言おうが離すつもりないから・・・・俺の事好きだって認めろよ」

そして私の唇は弦の唇で塞がれた。
その瞬間私の中の何かが弾けるように想いが溢れだす。
やっぱりもう認めざるおえない。

弦が好きだって・・・

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