ずっと隣で・・・
え?まさか・・・聞いてた?
寝ているから本音を漏らしていたのに
「弦?・・・寝てたんじゃ?」

「目を閉じていただけで・・・起きてたよ」
ニヤリと笑うと
逃げようとする私の身体を抱きしめた。
「そばにいてくれないのは寂しい?平気な顔で寝てる俺に
ムカついてるって?」
耳元で意地悪に囁かれる。
「・・・そ・・そうよ!悪い?!」
もう開き直るしかなかった。
だが弦はそんな私をさらにギュッと抱きしめた
「俺だって千鶴と同じ気持ちだよ。もう心も身体も
お前から離れられなくなってるから・・・・」

弦の言葉に抱かれた事を思い出し顔が赤くなる。
でも弦が私と同じ気持ちでいてくれた事が
うれしかった。

「いつ・・・帰るの?」
「明後日の夜・・・明後日までべったりできるよ。うれしい?」
意地悪な弦の言い方がおもしろくなくって
「・・・どうかな・・」と返事をした。
すると弦は横目でちらっと私を見て
「へ~~そうなんだ。じゃあ・・明日帰ろうかな
明日は久しぶりにデートでもしようかと思ったのにな・・
・・じゃあおやすみ」
そう言って私に背を向けて寝ようとした。
「弦!」
あ~~~!なんでいつもこうなの?
なんで私は素直になれないんだろう。
背を向ける弦の背中に顔を寄せる。
「・・・・やだ・・一緒にいたいよ・・・」
涙声に近い声だった。
「バーカ。俺だってお前と一緒にいたいんだよ」
そう言うと
私の方に向きなおって私の頬を両手で包みこむ。
「お前を中途半端な気持ちで抱いた訳じゃないんだ。
ちゃんといろいろ考えてるから・・・だから俺を信じろ。
わかったか?」

「わ・・わかった」
私の返事に満足した弦は「ではマジで寝よう」
といって私を抱きしめながら眠った。
私も弦の胸で眠った。
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