ずっと隣で・・・

「・・・ってーな！何すんだよ！なんだ？本当の事言われて
逆切れか？」
すると今まで黙って聞いていた弦が立ちあがった。
「自分の好きな女をそこまで愚弄出来るなんていい度胸してるね。
俺と千鶴はあんたと付き合う前・・・学生の頃付き合っていたんだ。
俺の就職先が京都で、遠距離恋愛になる事に不安になった千鶴は俺との
別れを選んだ。そんな千鶴が、あんたとは遠距離でもいいって思って
あんたを選んだ。それなのにあんたは浮気をあいた。そんな奴に千鶴は渡せない。
生憎俺は千鶴の事がずっと忘れられなくてね・・・・
千鶴との再開は運命だと思ったよ。絶対にお前には千鶴は渡さない」
弦の話を聞いた英斗の顔がだんだんと強張る。
「千鶴本当なのか？」
英斗の声は弱々しい声だった。
まさかこんな思いで自分と遠距離恋愛をしていただなんて思ってもいなかったから

私は頷いた。
「これ以上好きだった人を嫌いになりたくないの・・・
　お願い・・・鍵を返して。
　そして・・・本当のさよならをしてください」
私は深々と頭を下げた。

英斗は何度も躊躇いながらもテーブルに鍵を置いた。
そして
「わかったよ。」
そういって去って行った。



どっと疲れが出た私は大きな溜息と共にイスに座った。
「２人共、お疲れ様」
美鈴の声でやっと現実に戻った様だった。
やっと終わった・・・・そう、思ったが・・・
ちょっと待って
そう言えばすっごく気になる一言があったよね。
そう・・・結婚前提！
「ねー！さっき言った結婚前提って・・・あれは・・・その・・・冗談？」
恐る恐るきいてみたら・・・
「ばーか！そんなこと冗談で言えるか。」
えええええ！まじですか？！