クールなヒーローに甘いお菓子を。





私が呟いたそのセリフを、朔は聞き逃さなかったらしく。



「…まただ」

「え?」


朔は不思議そうな顔をしていた。





「優しい、って言われたの。俺、ちあ以外の人に優しいなんて言われたことない」


その事実に、こっちが驚く。





「言われるのは、冷たいとかクールとか無口とか、そんなのばっかだよ?」





ちあは変わってるね。


朔はそう言うんだ。





< 138 / 265 >

この作品をシェア

pagetop