クールなヒーローに甘いお菓子を。
「最初は、姉ちゃんができるって凄く嬉しくて。義理だなんて全く関係なく、本当の姉弟みたいに過ごしてきました」
「………」
「でも…、いつの間にか俺が抱く姉貴への感情は、 “姉弟”の枠を外れてた。しょうがないでしょう?元は姉弟なんかじゃない。赤の他人なんだから」
そんな切なげな夏輝の視線はまだちあを捉えたまま。
コイツは…夏輝は。
どれほど辛い思いをしてきたんだろう。
俺には想像もつかないくらい、辛かったはず。
俺は、ただ聞いてるしかできなかった。