クールなヒーローに甘いお菓子を。
「姉貴はちゃんと俺を弟として見てくれてます。それが普通のはずなのに…、俺はいつの間にか姉貴を姉として見られなくなってた」
どうして姉を好きになってしまったんだろう。
その疑問だけが夏輝の頭の中を支配していたと言う。
ちあのことを“姉貴”と呼ぶのは、せめてもの抵抗だと。
「だから、姉貴が同い年の男がいる家に世話になるって聞いた時、気が気じゃありませんでしたよ」
無邪気に笑う夏輝に俺も少し笑って返した。