クールなヒーローに甘いお菓子を。
────ドキン
朔と目があった瞬間、胸がそう音を立てたことに気付かないわけがなかった。
いつになく真剣な表情の朔。
それに加えて自分が愛されてると錯覚してしまいそうなくらい優しい目をしているものだから、更に胸の音が加速してしまう。
「ちあ」
「は、はい…っ」
思わず敬語で返事をしてしまう自分に心のどこかで呆れながら、朔の次の言葉を待った。
「俺、バカみたいにお前のことが好きだよ。だから、佐久本と話をしてきてほしい」
一瞬、意味が分からなかった。
「……、え…?」
いや、一瞬どころじゃなく意味が分からなかった。