クールなヒーローに甘いお菓子を。
少し照れてるようにも見て取れる目の前の彼が、嘘をついてるとも思えない。
「こんなタイミングで言うつもりなんてなかったよ。佐久本が急に告白なんかしてくるから悪い」
こんなんで焦るなんてダサいよな、なんて俯き呟く彼に、ドキドキしないわけがなかった。
好きで、いてくれたんだ…。
朔みたいな学校の王子様が、私なんかを。
「あ、ありがとう」
なんだか顔が見れなくなってしまって、私まで俯いてしまう。
伝えなきゃいけない。
私も、朔が好きだよ、って。
それなのに、頭の隅でチラつくさっきの舜の言葉。
私が好きなのは朔なのに。舜のことはもう忘れたはずなのに。
なのに、朔に言われて余計に舜のことが気になって仕方なかった。