クールなヒーローに甘いお菓子を。
「ごめん。彼女いるから」
いくら可愛い子でも、千秋しか眼中になかった俺は当然断りを入れた。
のに。
「まだ諦めませんから…!また何度でも伝えに来ます」
西山梨花は、諦めようともせずにそう告げて去って行ってしまったんだ。
「舜くん!好きです」
「いい加減諦めて。てか勝手に下の名前で呼ぶな」
それから事あるごとに俺の前に西山梨花は現れ、想いを伝えて来た。
普通なら好意を持たれる事はありがたいし嬉しい事だが、どこか彼女は別の目的があるようにしか思えなかった俺。
だから、段々彼女へのあしらい方は雑なものになっていっていた。
幸い千秋には俺の周りに女がウロついてることはまだ知られていない。
それが知られる前になんとか手を打とうと、今度は俺が西山梨花を呼び出した。
それが、告白されてから1ヶ月程経った頃。