クールなヒーローに甘いお菓子を。
「話って何?舜」
「…呼び捨てになってるし」
平気で下の名前を呼び、俺の目的が分かるだろうにケロッとしている彼女に最早恐怖さえ感じ始めている。
「西山。俺は千秋が好きなんだ。悪いけど、もう諦めてくれ。会いに来るのもやめてほしい」
が、伝えなければいずれは千秋の耳にも話がいく。
だから思い切って西山に伝えた。
強がりな千秋のことだ。
この話を聞けば、平気な顔をして俺の見えないとこで泣かせてしまう。
何としても、それだけは避けたかったから。
「…わかった」
遂に、西山から承諾の言葉が聞こえた。