クールなヒーローに甘いお菓子を。
「私ね、凄く舜のこと好きだったんだ」
「知ってるよ。見てきたからね」
「ずっと話したくもないくらい嫌ってたのも、今思えばそれだけ好きだったからだと思う」
「うん」
別れたあの日の夜も、涙が枯れるんじゃないかと思うくらいに泣いたし。
舜が西山さんといるのを見る度に、怒りとは別に胸が苦しくて、悲しかった。
「けどね、」
それでも、それを打ち消すくらい好きになれる人が現れたんだ。
「ある日突然一緒に住むことになって、よく話すようになって。私が辛い時ヒーローみたいに助けてくれる人に出会ったの」
ねぇ、朔。
今まで私を支えてくれた分、今度は私があなたを支えるよ。
「いつもありがとう、朔」
だから、ずっとそばにいたい。
「大好きです」