クールなヒーローに甘いお菓子を。



「とりあえずさ、」


ポン、と私の頭に手を乗せて朔は言う。




「晩御飯、作ろっか?」



何を言われるかと思えば、朔が発したのはそんな言葉で。




「へ、あ…うん…っ!」



拍子抜けして変な返事をしてしまった私は、まんまと朔に笑われた。





「じゃあ先着替えておいで。終わったらサラダ作ってよ」

「うん、了解!」



いつも通りの会話に戻ったはずなのに、どこかくすぐったい。





「サラダできたよー」

「じゃあ次はそのスープ味見してみて。物足りなかったら何か足していいから」

「はーい」

「あ、やっぱいい。ちあがいじると糖尿病になりそう」

「ちょっと、どういうことよ!」




意地悪な言葉にもドキドキしてしまうのは、やっぱり朔が好きだからなんだよね。



これからも、こうしてずっとそばにいられたらいいな。




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