クールなヒーローに甘いお菓子を。



「行こ?」

「うん」


お互い手を離さないまま、リビングに向かう。




珈琲の置かれたいつも私が座っている席には、ちゃっかりあの人が座っていた。




「お母さ──「あらー!?」


お母さんの名前を呼ぼうとして、仁美さんの高い声にかき消される。




「ちょ、母さん…」

「何々!?朔と千秋ちゃん、付き合ってるの!?」

「は?」



何を言われるかと思えば、そんなこと。



いや、そんなことって言うのもちょっと違うか。


とにかく、仁美さんにバレてしまったのは明らかに今私達が手を繋いでいるせいで。





「千秋ちゃん、それ本当?」



それを聞いたお母さんの顔が、一瞬鋭いものに変わったのが分かった。




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