クールなヒーローに甘いお菓子を。
* 俺はここにいるよ
( 朔 side )
母さんと亜希子さんが帰った後。
────ギュッ
「…ちあ?」
食器を片付けていた俺の背中を、ちあがそっと抱き締めてきた。
ぎゅっとしがみついてくるその小さな手を、彼女を、俺は堪らなく愛おしく思う。
母さんがちあのお母さんを連れてきた瞬間から、彼女の様子は明らかにおかしくなった。
それはきっと、これまでちあが事あるごとに見せてきた寂しげな表情と関係しているんだろう。
なんとか今回は亜希子さんの許しが出たけど、これからまだまだ障害はありそうだ。
まぁ、ちあから離れるつもりは一切ないけど。
亜希子さんにもあんな事言っちゃったしな。