クールなヒーローに甘いお菓子を。




「私が小1で、夏輝が幼稚園の時。お母さんと今のお父さんが再婚したの」



ちあの両親と兄弟の話。


…ここまでは、夏輝から聞いていた話だ。



本当の姉弟のように過ごして来た、とまでは夏輝から教えてもらっている。




「小学4年…くらいだったかな。そこまでは順調だったんだけど、段々お母さんがお父さんに当たるようになって。お父さんもそれに耐えられなくなって、私が6年生の時に2人は別居」

「…っ」

「"一度元の生活に戻ろう" とかで、私と夏輝も戻るしかなかったの」




少しずつ明かされていく、昔のちあの姿。




「だけど、」



しかし、驚くのはここからで。




「だけど私、別居してからお母さんにストレス発散で殴られるようになっちゃって。挙句に一緒に暮らしたくないって言われて中1からアパートで一人暮らし」

「……え…?」

「どこから広まったのか、それが中学の友達にも知られちゃって、イジメに遭っちゃってね」



淡々と言葉を紡いでいくちあ。




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