クールなヒーローに甘いお菓子を。
今は朔が私の少し前を歩いてる状態だから顔は見えない。
けど、この声色は怒っているわけではなそうだ。
「お前さ、そんなに申し訳ないとか思ってんの?」
「え、なんで…」
「顔に出てる」
「……っ!」
思っていたことを言い当てられ、つい黙ってしまった。
ていうか、私の顔いつ見たのよ。
前歩いてるくせに。
「じゃあさ、」
そんなことを思ってると、朔がまた口を開いた。
「またフレンチトースト作ってよ」
突然の朔からの思ってもみなかった言葉に、思わず立ち止まった。