クールなヒーローに甘いお菓子を。
▼第2章
*同居は内緒
***
「あ、おはよー」
「…はよ」
次の日の朝。
先にキッチンに立っていたのは、朔ではなく私。
朔にフレンチトーストを作ってあげようと思って、朔が起きてくるよりも早く起きたんだ。
この家はカウンターキッチンだから、作りながらリビングがよく見える。
そこから見える朔は、どこかまだ眠そうで。
欠伸をしてボーッとしているのに、顔がいいからかカッコよく見えるのが不思議だった。
「顔洗ってきたら?」
「ん。そーする」
素直な返事をしてリビングを出て行く朔が、なんだか可愛く見えたり。