クールなヒーローに甘いお菓子を。
「よし。私も行くか」
朔が出てから5分後、私も学校へ向かおうと家を出る。
学校が視界に入ってきた頃。
朔はもう学校に着いたかな、なんて思った時のことだった。
「本郷君!おはよっ!」
「朔くーんっ。今日もカッコイイね!」
校門で目の当たりする現実。
それは、たくさんの女子達に囲まれる朔の姿で。
「 (私…、やっぱりとんでもない人と同居しちゃったんだ) 」
そう思うには十分すぎる光景だった。
…それに比べて私はというと。
「あ、藤堂さんだ」
朔とは真逆に、影で何か色々と言われている。
この土日が同居のことばかりで、舜とのあの別れのことなんかすっかり忘れていた。
…それほど、舜のことはもう吹っ切れてる証拠なのかな。