クールなヒーローに甘いお菓子を。




「千秋……」



私に気付いたのか、目を見開いて小さな声で私の名前を呟くその人。





久々に聞いた、声。


心臓が、一度だけドキリと音を立てた。





「………」



でも私は立ち止まらずに歩く。








もう、私とあなたは無関係。



その言葉だけをひたすら頭の中で繰り返していた。







…なのに。





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