クールなヒーローに甘いお菓子を。
「涼しーい」
屋上に来て、なんとなく出した声がそれ。
朝のSHRまではまだ時間がある。
こんな時間に屋上に来るもの好きなんていないから、今この場には誰もいない。
「……ハハ、」
一人、乾いた笑いが静かに屋上に響いた。
頭に浮かぶのは、さっきの舜と西山さん。
─────なんで。
なんで会っちゃったのよ。
なんであの子もいるのよ。
なんで、なんで…。
「もう、やだ」
なんで、私なんかと付き合ったの?