キミじゃなきゃダメなんだ

「あんないい男フッたなんて、ほんと恐れ多すぎだから！地獄に落ちろ！」

「その覚悟でございます」

「あの先輩はあたしの好みではないけど！でも！あの先輩の彼女になれたらと夢見る女子が、この学校にたくさんいることを忘れるなよ！！」

「承知しました」


チョコちゃんの言葉は、容赦なくドスドスと胸に突き刺さる。

けど、ぜんぶ間違ってないから素直に頷いた。


里菜はやっぱり、うんうん頷くだけだし。

汐見先輩は私に甘いから、こうやって私に怒ったりしないし。


だから私は、唯一怒ってくれるチョコちゃんのお説教は、黙って聞くって決めたんだ。


私の行動はだいぶ非常識なんだと常に思っておかないと、私はまた汐見先輩に失礼なことをしでかしてしまいそうだからだ。