キミじゃなきゃダメなんだ
私がもっと先輩に似合う女子だったら、一度否定するくらいで済んだ話なのに。
あの女子の先輩たちが何度も来るのは、納得いかないからだろう。
そうなるのはさすがに仕方ない。
たとえ『友達』でも。
あんなにキレイな先輩より、大して可愛くもない私の方が、汐見先輩と仲が良いんだもんな。
「......ホントに?」
けど、先輩は疑わしげな目で私を見てくる。
うう....ほんと、誰だよ先輩に言ったのー!
「ホントですよ。私が二年の先輩方に呼び出されるような悪いこと、すると思います?」
ニッコリと笑って、首をかしげてみる。
先輩はそれでも納得のいかない顔をして、私をじっと見てきた。
「....それは思わないけど」
「でしょう?一体誰からそんなこと聞いたのか知りませんけど、誤解ですよ。呼び出しなんて受けてません」
「...君が、悪いことして呼び出されるとかは、僕もないと思ってるよ。けど、悪いことしてなくても君が呼び出される原因を、僕は知ってる」
ぎく。
そ....そこまでご存知でしたか。