キミじゃなきゃダメなんだ


そう思ったけど、自習室には今、私たち以外に誰もいなかった。

...あら。

入ってきたときは何人かいたけど、いつのまにか帰ってたみたいだ。


「....僕が人前で、君を口説くと思った?」

「えっ。あ、えーと」

「するわけないでしょ。ただでさえ君、今の時点で女子に目つけられてるのに」


う。

さすがだな先輩。ちゃんと周りを見てる。

....というか。


「やっぱり、知ってるんですね....」


勢い余って立ち上がっていた私は、おとなしく席につく。

先輩はまたいつも通りの表情に戻って、「うん」と言った。


「君の友達に聞いた。よく諒と話してる子と、君がチョコちゃんって呼んでた子」


あのふたりかーい!!



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