キミじゃなきゃダメなんだ
全然進まなかった数学のノートを片付けながら、まだ収まらない自分の鼓動の早さを感じる。
ちらりと先輩を見ると、ばちりと目があった。
「!!」
「.....ごめん」
「え!?いえ、こちらこそごめんなさい!」
「なんで君が謝るの。僕が見てたんだし」
「........」
先輩の言葉に、やっぱり顔が熱くなるのが抑えられない。
そんな私の顔を見て、先輩は拗ねたみたいな顔をして。
ほんのすこし赤い顔を、ふいっとそむけた。
「....なんか今日、ダメだ。ごめん、上手くなくて。格好悪いね、僕」
....え。
ええー!?
先輩のよくわからない拗ね方とその姿が可愛すぎて、一体これはどういうことかと混乱した。