キミじゃなきゃダメなんだ
先輩と自習室を出て、暗い廊下を歩く。
なんとなく先輩よりも少し後ろを歩いて、姿勢のいい後ろ姿を見つめた。
昼休みのチョコちゃんの言葉が、よみがえる。
『....勉強教えてもらって、一緒に帰って?向こうはあんたのこと好きで。....付き合わない方がおかしくない?』
...うん。
そうだね。
私ってほんと、馬鹿なことしてると思う。
でも、このドキドキにつられて、先輩と付き合うのは、なんだかダメな気がするんだ。
だって私は、女子の先輩にあんなことを言われて、多少なりダメージを受けた。
その通りだな、って思った。
きれいな先輩の黒髪が、窓から射し込む街灯の光に照らされている。
それを見上げながら、私は目を細めた。
....先輩と私は、やっぱり釣り合ってないよ。