キミじゃなきゃダメなんだ
だけど、さすがに先生の目の前で携帯を触るのはまずい。
だから、日焼けを避けたがる里菜の希望ついでに、私たちはこそこそとグラウンドの体育倉庫の物陰で休憩してるんだ。
午後の三時間続けて合同練習だから、練習はこのあとも続くんだよね。
先生が体育倉庫の前を通りすぎるのを確認して、私はケータイを隠していたチョコちゃんに声をかけた。
彼女は「よし」と頷くと、再びメールをうち始めた。
....相手は彼氏とか、だったりするのかな?
チョコちゃんがここまでメールにのめり込むようになったのは高校からだし....
どこかで、出会いがあったのかもしれない。
「マルっ、顔、白いとこない?」
念入りに日焼け止めを塗り直していた里菜が、自分の顔を指差してくる。
私は色んな角度から肌を見て、「ん」と頷いた。