キミじゃなきゃダメなんだ
「どしたの?ぼーっとして」
「え...え、ぼーっとしてた?」
「うん。珍しいね」
「......」
そっか。珍しいのか。
普段、ぼーっとしてることなんてないもんな、私。
考えるより先に行動しちゃうタイプだもんな。
「....なんか、悩みごと?」
里菜が、心配そうに私を見つめてくる。
....里菜とチョコちゃんは、私が目をつけられてる女子の先輩たちから、何言われてるのか、大体気づいてるから。
昨日、呼び出しから戻ってきたあとも。
里菜はこんな顔で私を見てたし、チョコちゃんもなにか言いたげな目をしてた。
ふたりが、汐見先輩に呼び出しのことを言ったのも、ほんとは私のためだってわかってるから。
...心配、してくれてるんだよね。
私はすぐに「何いってんの」と言って、いつも通り笑った。