キミじゃなきゃダメなんだ


そこで、先輩が右手に持ってるハチマキを見つけて、「あっ」と声が出た。


「先輩、白団ですか!?」

「え?ああ、うん」

「私もですよ!同じですね、頑張りましょうね!!」


まだつけてたハチマキを指差して、にひひと笑う。

けど、先輩が少し驚いた顔をして私を見てたから、ハッとした。


そ、そーか。先輩は頑張る気ないんだっけ、体育祭。


てゆーか今の発言も、ちょっとダメだったかな。

思わせ振りな態度、ってやつに、なってなかったかな。


私はほんと無神経野郎だから、いつ失礼をやらかすかわからない。

純粋に同じ団だったのが嬉しくて、テンション上がっちゃった。


一気に気まずくなってきて、目を下にさ迷わせる。




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