キミじゃなきゃダメなんだ
けどそれもつかの間、一気に恥ずかしくなってきて、「えと」と声を出す。
「わ、私、よく転ぶのでっ。日常茶飯事っていうか...だから大丈夫です!ほら、大きい絆創膏持ってるし!!」
ドーンと、デカいサイズの絆創膏を、ポーチから出して見せる。
私のなけなしの女子力がつまったポーチだ。ピンク。これだけで女子力高く見える気がする。
消毒液もバッチリ持っている私は、痛む足を引きずって、バス停まで歩いた。
そして、バス停のベンチに座って、消毒をする。
イケメンさんはその様子を、黙って見ていた。
うう、恥ずかしい。
あんまり見ないでください....。
消毒を終えると、ふう、と息をつく。
自分の傷とはいえ、見てるだけでもう痛い。
消毒液を置いて絆創膏を手に取ると、イケメンさんが「貸して」と言ってきた。
へ?