キミじゃなきゃダメなんだ
やがて先輩は私の視線に耐えきれなくなったのか、またもや拗ねた顔をしてさっさと歩き始めてしまう。
....て、照れ屋さんなんですかそれは。
可愛いんですけど。なんなの。
「.........」
耳まで赤い先輩の後ろ姿を、少しの間立ち止まって見つめる。
....心臓が、痛い。
昨日からずっと。
痛いくらい、あの人につかまれてる。
「なにしてんの」
なかなか歩き始めない私に、先輩がちょっと呆れた顔をして振り返ってきた。
気づけばグラウンドには私たちしかいなくて、残ってる数人の先生たちの、生暖かい視線を浴びていた。ぎゃあああ。