キミじゃなきゃダメなんだ
そして、言いにくそうに目線をさ迷わせて、数十秒後、言った。
「.....下着。透けてる」
.....えっ。
先輩の言葉に、バッと下を向く。
一応、体操服の下にタンクトップは着てるけど....ブラの線が、確かに透けてた。
.....う。
わあああーー!
「ごっ、ごめんなさいごめんなさいお見苦しいものを!」
再びしゃがみこんで、今度こそ涙目になる。
は、恥ずかしすぎる!こんな女の下着が透けてても、目に毒でしかないのに!!ごめんなさい!!
先輩はやっぱり目をそらして、「いや」と言った。
「.....僕は全然いいんだけど.....てゆーか、早く着て。目のやり場に困る」
「は、はい!すみませんお借りします!」
先輩の手から上着を受け取って、素早く着る。
学年が違うから、色も私が持っているやつとは違うそれは、ちょっとブカブカだった。
だけど、さっきまで寒さでどうにかなりそうだったから、そのブカブカさは返って身体を温めてくれた。