キミじゃなきゃダメなんだ
ううう、恥ずかしいしやっぱり情けない。
先輩が来てくれなかったら、私は一体どうなっていただろう。
「す....すみません本当に...ありがとうございます...」
「うん...来たのが僕でよかったよ、ほんと」
マジでその通りでございます。
半袖姿の先輩がなんだか新鮮で、ちょっと見惚れる。
だけどそんな場合じゃねえと気づいて、慌てた。
「あ、えと、じゃあ私、保健室の乾燥機を借りてきます。体操服びしょ濡れなので....」
「あー、うん。わかった」
先輩はグラウンドに戻る直前まで心配そうに私を見ていたけど、私が「ひとりで行けますから」と笑うと、彼は頷いてグラウンドに戻っていった。