キミじゃなきゃダメなんだ
「汐見くんね、最近明るいのよ。前まではとことん無気力で、つまんなそーに日々を過ごしてるって感じだったのに」
「.........」
「そのくせ成績はいいから、先生たちも彼に何も言えないでしょう。だけど今は、前よりどこか少し楽しそうでね。彼に何があったんだろうって、先生たちも興味津々よ」
....そう、なの?
それって、それって.....
「あなたのおかげ、なんじゃない?」
私の心を読んだかのように、先生が笑った。
私は驚いて、何も言えなくて。
....私、が。
先輩の友達になることで、先輩にとって良いことが、あるんだとしたら。
....それって、すごく、嬉しいことだ。
「..........」
ああ、ダメだ、なんか涙腺弱くなってる。
じわじわと瞳に涙がたまってきて、また俯いた。
先生が小さく笑った気配がして、ぎゅっと目をつぶった。