キミじゃなきゃダメなんだ



「.......さっき僕に、嘘ついたよね?」



.....え。

驚いて目を見開くと、先輩はさらに声を荒らげた。


「君は平気だって言ってたけどさ。僕が水道に来る前、君泣いてたよね?あのときは気づかないふりしたけど、なんで嘘つくわけ?」

「う、え、あ、あの....先輩、なんで」


知ってるの?


なんで嘘ついたって、バレてるの?


しかもなんか、あのときちょっと泣いてたこともバレてるし!?


そう言葉に出さずに伝えると、先輩は唇を噛んで、「ついさっき」と言った。



「二年の女子達が....君に水かけたこと、笑いながら話してたのが、聞こえた」



うわ。

まじっすか....先輩方、どこまでいっても私の邪魔をしてきますね。


思わず『うわあ』という顔をしてしまって、ますます先輩の表情が不機嫌に染まった。



< 202 / 549 >

この作品をシェア

pagetop