キミじゃなきゃダメなんだ


「私が、私に水をかけてきた人達に仕返しをしたいって思ったら、それは私がします。先輩の手は借りたくないんです。私が感じた嫌だって気持ちを、誰にも押し付けたくありません」


意味、わかってくれるかな。


先輩はしばらくの間私を見つめていたけど、やがてフッと優しく笑った。



「....そうだったね。君はいつも、自分が嫌だと思ったら、必ず君自身で行動してたよね」


.....うん。わかって、くれた。


そう、いつも私は、そうだった。


私が嫌だと思ったから、電車の中でも自分勝手な正義を振り回してるし。

それを、例えばチョコちゃんや里菜に、一緒になって行動してほしいとは思わない。


彼女達は好きなように行動すればいいと思う。

実際にふたりとも、言ってくれた。


『私達はしたいようにする』って。


私も、それでいいと思う。

私が嫌だと思ったからって、彼女たちも嫌だと思う必要はない。



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