キミじゃなきゃダメなんだ


なんだか今日は、非日常と出会いすぎだ。


昨日の夜、弟がテレビのリモコンを放さなかったからだ。あれが悪かったんだ。



もやもやと考えながら、三人で自販機へと歩く。

その途中の廊下で、私は目を見開いた。


今、まさに少し先で、階段に向かって歩いているひと。

...あ、あ、あの、サラサラな黒髪は。


私は息をするのも忘れて、里菜とチョコちゃんの肩をバシバシと叩いていた。


「あ、あの人!あの人だよ...!」


え?とふたりが眉を寄せて、私が指差した方へ歩く。

私も恐る恐る、ふたりの背中へついていった。


....うそ、うそ。

まじですか、まじなんですか。



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