キミじゃなきゃダメなんだ



「しーおみせんぱーい!」



ぶんぶんと手を振って声をかける。

彼は私に気づくと、小さく笑った。


....本当に、一瞬だったけど。


だからこそ、ドキリとした。



「お、おはようございます!」

「おはよ」

「おはよーマルちゃん」


なんとなくドギマギしながら、挨拶する。


あ、あれ?

前もこんな感じだったっけ。

なんでこんなに緊張してるんだろう。


すると、松原先輩が私と汐見先輩を交互に見て、ニヤニヤし始めた。


「....俺はお邪魔だよね~。退散しよーっと」

「ええっ」

「じゃね~」


言うが早いかひらひらと手を振って、松原先輩は生徒席へと歩いていった。

き、気を遣われた....よね。

あーでもそうか、いつもは里菜が一緒にいるけど、今はいないもんね。


先輩同士で話してたのに、私こそお邪魔して申し訳ない。

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