キミじゃなきゃダメなんだ



「....それは、無理」



...うん、まあ、そうだよね。先輩だし。


でも、私はあの水ぶっかけ事件以来、なんか吹っ切れちゃったんだよね。

周りの目なんて気にする必要ないんだってわかったから。



「私はもう無視することにしましたよ。気にするだけこっちが損なので」



あっけらかんと言うと、苦笑いされた。

でもその表情は、どこか安心していて。

....やっぱり、心配させてたんだなぁ。



「君、どんどん男前になってくね」

「あはは、やった。小さい頃は正義のヒーローに憧れた私ですからね」

「なるほどね」


ふたりで、小さく笑い合う。


...先輩と話してると、和むなぁ。


なんていうか、安心する。

うん。ほっこりする。やさしい気持ちになれる。


私のことをよく思わないひとたちは、好きに言ってればいいさ。

先輩と友達なのは私だからね!

その事実はどうやったって覆らないもんね!




< 213 / 549 >

この作品をシェア

pagetop