キミじゃなきゃダメなんだ
ふふーんと一気に機嫌を直した私は、「それでですね」と次の話題を出した。
「あのですね、さっきの、百メートル走で....」
「ああ、一位だったよね。おめでとう」
ええっ!
サラリと次の言葉を奪われて、私はびっくりした。
何故先に知られている!?
「み、見てたんですか!?」
「うん」
当たり前だろうと言わんばかりの顔をされた。
ええっ、そそ、そうなんですか。
当たり前....なんですか。そ、そうなのか。
うひゃー、なんか恥ずかしいな。
大丈夫だったかな私。
女子あるまじき顔で走ったりしてなかったかな。
いや顔面崩壊はもともとなんだけどさ。
一位をとった嬉しさで思わず先輩に報告しようと思ったら、既に知られていた。 びっくりだ。