キミじゃなきゃダメなんだ



「....せん、ぱい」

「早く、僕だけ見てくれるようになればいいのに」



強く、私の心を揺さぶる。

胸が痛くて、苦しい。

まただ。


このひとといると、胸の奥が熱くなる。


ひたすらに苦しくて、酸素を求めるように、私は思わず口を開いた。



「....先輩といると、なんか心臓が、すごい痛くなる....」



私の言葉に、先輩は撫でる手を止めた。

やがてその手は私の頭から離れていって、私は顔を上げた。


目があうと、彼はますます驚いた顔をする。

そして眉を寄せて、目をそらした。


「....なに、その顔。かわいすぎ....」

「....え」

「真っ赤だよ。たぶん、僕より」


え。

ええっ!?


ぼうっとしていた意識が一瞬でハッキリとして、慌てて頬に手を当てる。

うわ熱い!なんだこれ!



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