キミじゃなきゃダメなんだ


「ご、ごごごめんなさい!なんか今、私、頭おかしかった...!」

「....そんな反応してくれるんなら、もっと頑張って口説こうかな...」

「や、やめてください!死んじゃう!」


これ以上は!たぶん糖分過多で死ぬ!


思わず全力で首を振ると、先輩はすごく嬉しそうな顔をして、小さく笑った。


「...なんてね。僕も、たぶんこれ以上は無理だ」

「....そ、そうなんですか」

「毎回君にそういう反応されると、僕もそろそろ我慢できなくなるからね」


...え?


「...が、まんって....え、私への怒りが?」

「なんでそうなるんだよ。馬鹿?....ああいやそうだね、百合は馬鹿だった。うん」


何気にひどいこと言われた。

どうせ私は馬鹿ですよ....


遠くでピーという笛の音が聞こえてきて、私と先輩は静かにグラウンドの方へ歩き始めた。



「....これ以上は、ちょっと困りますけど。我慢してることがあるなら、ちゃんと言ってくださいね」


ついでに私のことも、もうちょっと怒ってくれるとありがたい。

またもや調子に乗りそうな気がして怖い。


さっきの余韻が冷め切らないままに言うと、先輩はため息でもつきそうな顔をした。

ええ、なんでそんな顔するの。



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