キミじゃなきゃダメなんだ
「君にはしばらく言えないよ....」
「ええ、なんでですか」
「君だからだよ」
「わかりませんよ!」
なんでこういうことは察せないの?とグーで額を軽く押された。
ええ、察することができることなの?
限度があるよ。
私だから言えないって何?
私への不満を我慢してるわけじゃないんでしょ?わかんないよ!私は馬鹿ですから!
「....わかりません。もういいです、私の中でこのことは迷宮入りしました」
「なんで君がちょっと怒ってんの...」
「先輩が馬鹿にわかるように説明してくれないから」
「あの説明でわかんないなら、君にはたぶんどうヒントを出しても無駄だよ。...はぁ。ほんとアホだね、百合」
「ため息つかないで下さいー!」
すっかりいつもの調子を取り戻したところで、私の視界に紅白の得点板が映った。
その数字を見て、一気に現実に引き戻される。