キミじゃなきゃダメなんだ
私は今朝の出来事を思い出して、ぐっと拳を握りしめた。
....いずれにしても...今朝の断り方はさすがにあんまりだよなって、思ってたんだ。
できることなら、謝りたい。
そしてお礼も言いたい。
私の前に膝をついて、真剣な瞳で絆創膏を貼ってくれたひと。
誠実そうなひとだなぁって、思ってた。
痴漢にあんなに堂々と向かってくんだもん。きっと、立派なひとなんだろうな。
もっとちゃんと、話してみたいな。
...よし。
丸岡、行きます!
「ちょっと、頑張ってくる!」
早速、二年の教室がある階への階段へ向かう。
思い立ったら即行動な私に慣れているふたりは、「がんばれー!」と手を振ってくれた。