キミじゃなきゃダメなんだ


あのとき、私はチョコちゃんにビター君の良さについて訴えてた記憶しかないんだけど。

先輩はそのとき、確かリレーのことで意気消沈していたような気が....


「先輩、あのとき聞いてたんですか...!?落ち込んでませんでしたっけ」

「...落ち込んでたけど、君の話は聞いてた」

「....!?」


先輩、なんか照れてるけど!

それって結構やばくないか?

これが愛の力!?そうなの!?


「先輩って....実は結構変ですよね」

「怒るよ?」

「ごめんなさい!」


即座に謝ると、汐見先輩はムッとした顔で「仕方ないじゃん、耳に入ってくるんだよ」と言った。


うええ、拗ねた顔超絶可愛いなこのひと。有罪だ。


私の脳内で裁判官が汐見被告に有罪を下す中、先輩は再び顔を赤くさせた。


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